核医学診断に用いられるテクネチウム-99mの親核種であるモリブデン-99を国内生産するために昇華法が提案されている。この手法を効率化するためにMo-100のナノ粒子が必要である。そこで本研究では、微生物によるナノ粒子生成反応を模擬して、人工的にモリブデンナノ粒子を合成する手法を構築した。 生体膜の構成成分であるホスファチジルコリンとコレステロールを水中で分散させ、球状リン脂質二重膜(リポソーム)を作成した。このリポソームの内部にモリブデン酸イオンを封入し、外部からカルシウムイオンを添加した。この際の諸条件を検討することで、30-50 nm程度のモリブデンナノ粒子の合成を確認した。
|