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2014 年度 実績報告書

膵癌におけるBMPシグナルの作用機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25830072
研究機関東京大学

研究代表者

宮林 弘至  東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (50634961)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード膵癌 / BMPシグナル
研究実績の概要

膵癌は依然として最難治癌であり、膵癌の病態の理解に基づいた、より有効な治療法の開発は急務といえる。我々は膵臓上皮特異的な変異型Kras発現+TGF-betaⅡ型受容体ノックアウトにより、膵癌の臨床像・組織像をよく近似するマウス膵発癌モデルを既に樹立しており、本研究ではこのモデル用いて、膵癌の発癌進展におけるBMPsの役割及び転移機序の一端を明らかにし、さらにBMPsを標的とした治療可能性について検討した。膵発癌にAcinar ductal metaplasia(ADM)という現象が重要であることから、ADMにおけるBMPシグナルの役割を検討したところ、BMPシグナルがADMを誘導し、またTGF-betaノックアウトでBMPシグナルが活性化しADMが誘導されていることがIn vitroのアッセイで明らかとなった。この結果からBMPシグナルが膵発癌に重要であることが明らかとなった。また、我々が以前施行したマウス膵癌細胞株(変異型Kras発現+TGF-betaⅡ型受容体ノックアウトマウスより樹立)とPanIN細胞株(変異型Kras発現マウスより樹立)の発現アレイでBMP7が膵癌細胞株で発現亢進していることがわかり、PanIN細胞株でBMP7強制発現株を作成したところ、In vitroでは接着、遊走能が亢進し、In vivoではヌードマウスの皮下腫瘍モデルでBMP7強制発現株でより腫瘍の増殖を認めた。またこのマウスモデルの膵癌とヒト膵癌組織の免疫染色で癌・間質ともにBMPシグナルが亢進していることが分かった。この結果からBMPシグナルは癌の進展にも重要であることがわかった。
BMPシグナルは膵発癌・進展ともに重要であることが示唆された。BMPを標的とした治療法の開発は今後の課題であり、さらに研究を進める必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] A role of BMP signaling in pancreatic cancer2015

    • 著者名/発表者名
      宮林弘至
    • 学会等名
      TGF beta Family and Cancer
    • 発表場所
      Tsukuba, Japan
    • 年月日
      2015-01-12 – 2015-01-13
  • [学会発表] 膵癌におけるBMPシグナルの役割の検討2014

    • 著者名/発表者名
      宮林弘至
    • 学会等名
      第25回日本消化器癌発生学会総会
    • 発表場所
      福岡、日本
    • 年月日
      2014-11-13 – 2014-11-14
  • [学会発表] A role of BMP signaling in pancreatic cancer2014

    • 著者名/発表者名
      宮林弘至
    • 学会等名
      BMP Berlin 2014 2014年9月16日~20日
    • 発表場所
      Berlin Germany
    • 年月日
      2014-09-16 – 2014-09-20
  • [学会発表] A role of BMP signaling in pancreatic cancer2014

    • 著者名/発表者名
      宮林弘至
    • 学会等名
      AACR Special Conference Pancreatic Cancer
    • 発表場所
      New Orleans, LA USA
    • 年月日
      2014-05-18 – 2014-05-21

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公開日: 2016-06-01  

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