腫瘍細胞のMHC class I分子上に提示されるがん抗原ペプチドを網羅的に解析する方法として、MHC class I分子上のペプチドを酸解離法により溶出し、溶液中のペプチドを質量分析計(2DICAL)により解析する方法を考案した。HLA-A24との結合が予測されるGlypican3由来ペプチドを合成し、HLA-A24発現細胞に会合させて提示させた後、酸解離-2DICALによるペプチド同定を行ったところ、HLA-A24と最も結合性が高いペプチドのみが検出された。将来的には本方法を循環血中腫瘍細胞に応用し、がん細胞上に実際に提示されているがん抗原ペプチドを探索することが可能になると考えられた。
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