HDAC,PI3Kはがん治療における有力な標的分子とされている。さらにHDAC阻害剤とPI3K阻害剤の併用は殺細胞効果の相乗作用をもたらすことが報告されている。申請者らは、独自のPI3K阻害剤スクリーニングにより、文部科学省化学療法支援班の寄託化合物ライブラリーの中から、HDAC阻害剤であるデプシペプチド類縁体にPI3K阻害活性があることを新たに見出した。つまりHDAC/PI3K 2重阻害剤のシード化合物を同定した。さらに構造活性相関の解析から、活性の強い類縁体(FK-A11)を同定した。また、ヒト前立腺がん細胞移植マウスモデルにより、FK-A11の優れた抗腫瘍効果を確認した。
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