N-ミリストイル化修飾は、プロテアソームの核-細胞質内での局在制御を介して、細胞内局所でのタンパク質分解の調節に関わると予想される。著者は、本機構を介して分解される基質タンパク質の全貌と本機構の生理機能の解明を目指し、修飾部位変異体酵母を用いたユビキチン化タンパク質のプロテオーム解析を行った。結果、変異体ではタンパク質の核輸送に関わる2つのヒートショックタンパク質や、核と細胞質の両方に局在すると予想されるストレス応答や代謝に関わるタンパク質群のユビキチン化レベルの亢進が認められた。これらの結果は、本修飾が一部の細胞質タンパク質の核内での分解を介して、ストレス応答等に関わる可能性を示している。
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