私たちは、巨大リポソーム内に微小リポソームを含有させ、GUV内にCa2+を流入させることで、微小リポソーム内の物質を外部に分泌できる人工エキソサイトーシス系を構築した。本研究では、構築した人工系を用いて、巨大リポソーム内外の浸透圧差や、リポソームの脂質組成がエキソサイトーシス活性に及ぼす影響を明らかにした。またアミロイドβに対して特異的な人工エキソサイトーシス系の開発に向けて、アミロイドβ刺激によって巨大リポソーム内部にCa2+流入が引き起こされることを確認した。これらの研究成果は、アミロイドβを認識して、これに対してアミロイドβの分解酵素を分泌・分解する系の開発に繋がるものと考えられる。
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