本研究は 異なる性周期(卵胞期・黄体期)において、青色・赤色光を曝露し、それがヒトの時間感覚に及ぼす影響を検証することを目的とした。我々は時間産生タスク、P300、 唾液プロゲステロン濃度、性格特性、主観評価などを測定した。その結果、P300 の振幅と潜時には光と性周期に関する有意差はなかったが、時間感覚では卵胞期の方が黄体期より有意に長く感じることが認められた。なお、唾液プロゲステロン濃度と時間感覚の相関では負の相関が認められた。時間経過時計がプロゲステロン濃度によって影響されたことからプロゲステロン濃度の高い黄体期に時間経過時計が速く進むことが示唆された。
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