セイヨウナシの果実は通常、緑または黄色い果皮を示すが突然変異により赤い果皮を示す品種がいくつか存在する。本研究では、赤く着色する形質が日光を必要とするアントシアニンの蓄積によるものであることが明らかとなった。また、果皮の赤着色には全面着色タイプと陽光面着色タイプの品種が存在するが、アントシアニンの蓄積パターンは着色タイプではなく各品種固有の蓄積メカニズムを示すことが示唆された。このアントシアニン蓄積に関わる遺伝子のゲノム構造を確認したところ各遺伝子の近辺に大きな欠損や挿入等は認められず、1塩基多型等のわずかな変異もしくは非転写領域の変異に起因するものである可能性が高いと考えられた。
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