日本産キジラミ類(カメムシ目:キジラミ上科)のDNAバーコードによる簡易識別技術を確立するため、6科30属123種895個体についてミトコンドリアDNA COI領域714塩基対の配列情報を得た。これらの種では、種内変異(塩基置換率)は平均0.1%、ほとんどの種で最大でも1%以内に収まり、属内における種間変異の3.2~29.0%(平均で約16%)よりも十分に小さく、DNAバーコードによって日本産キジラミ類の種の識別が可能であることがわかった。しかし、ごく一部の形態種では3%を超える種内変異が見られ、隠蔽種の存在が示唆された。
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