本研究では、水稲とダイズを1年交互に作付けする田畑輪換体系における有機質資材由来窒素の動態(作物吸収及び土壌残存)を、重窒素トレーサー法により複数年にわたり評価した。 1作目(イネ及びダイズ)に施用した有機質資材(緑肥ヘアリーベッチ及び牛ふん堆肥)由来窒素は、5年間作物に継続的に利用され (施用窒素量の各38~45%、10~12%)、5年後も土壌中に一部が残存していた(各35%、60%)。 ダイズに比べイネでは、資材由来可給態窒素の吸収率が高く、過去に施用した資材由来の窒素吸収量が多いため、イネ作付時には有機質資材の施用歴を考慮に入れた肥培管理が必要となることが明らかになった。
|