海水にポリアミンを添加し48時間静置すると、アラゴナイト結晶の炭酸カルシウムが生じる。このポリアミンによる石灰化を様々な物質の存在下で調べたところ、50 uMリン酸塩を添加した場合に石灰化が完全に阻害されることを見出した。そこで、コユビミドリイシ稚ポリプの骨格形成に及ぼす影響を調べたところ、このリン酸塩濃度で稚ポリプ底面の骨格形成が完全に阻害された。さらに,ポリアミンの生合成阻害物質であるDFMO 20 uMを稚ポリプの培養液に添加したところ、底面の骨格形成が明らかに阻害された。これらの結果は、ポリアミンが石サンゴの石灰化に寄与していることを示唆する。
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