本研究は,微生物活性を利用した新たな地盤改良技術の開発を目指し,脱窒反応を利用した砂質土地盤中における炭酸カルシウムグラウト生成と,反応に伴う土質特性の変化について検討を行った.実験を通して,底泥より容易に脱窒菌の抽出を行う手法を確立した.抽出した脱窒菌を用いて,砂地盤模型中での脱窒によるグラウト生成を確認した.模型実験では,反応の過程で生成する窒素ガスによって,砂地盤が不飽和化できる可能性が示唆された.地中での窒素ガス移動には,脱窒反応速度や反応基質濃度,土の間隙径や地盤骨格が大きく寄与すると考えられる.この効果が得られれば,液状化対策等に有効となることが期待でき,さらなる検討が求められる.
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