傾斜地水田,いわゆる棚田は平地に比べて日射量が少なく,気温も低いことから米の収量が低い土地とされている.そこで,まず本研究では観測と計算によって日射環境を評価した. その結果,地形の影響で日射環境が不十分なところがあることがわかったが,登熟期ではほぼ均等な日射環境が保たれていたため,稲の生育や品質に差が見られないことがわかった.加えて,棚田での微気象変動について観測し分析を行った.その結果,風向きによってその特徴が変わることがわかった.とくに南風の時,平地水田と同じような熱特性になっていることがわかった.
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