抗腫瘍活性を有する新規3環性ポリケチド、インドキサマイシンFの合成研究を行った。その結果、(-)-カルボンを出発物質として、クライゼン転位反応と続く閉環メタセシス反応を鍵反応とする6工程の変換により、2環性骨格を構築した。さらに、二ヶ所の核間位メチル基の立体選択的な導入を含む6工程の変換によりAB環部に相当する2環性化合物を合成した。その後、保護基の掛けかえを行った後、エステル部およびケトンの還元に伴うヘミアセタール環の形成により、インドキサマイシンFの3環性骨格に相当する化合物の立体選択的合成に成功した。現在、インドキサマイシンFの合成に向け、さらなる検討を行っている。
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