本研究では、水晶振動子マイクロバランス(QCM)によるバイオセンシングにおける抗体の利用効率と分子認識の向上を目的にビニルメチルエーテル‐マレイン酸共重合体(VEMAC)を用いた抗体‐高分子コンジュゲートを水晶振動子の金電極表面に構築し、その有用性について検討した。水晶振動子の金電極表面へのタンパク質の非特異的な吸着は、VEMACでの表面修飾により効果的に抑制できることを明らかにした。また、C-反応性タンパク質(CRP)の抗体をモデル抗体として、QCMの金電極表面にVEMACを介して固定化することにより、CRPが高感度に定量的に検出できることが示唆された。
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