体内時計を制御する時計遺伝子発現を低下させると、血管内皮細胞の拡張機能や血管新生能は低下すると報告されているが、時計遺伝子発現と高血糖等のストレスに対する血管の抵抗性との関連は不明である。本研究では糖尿病性血管障害発生に時計遺伝子発現が関与するか明らかにする。まず2型糖尿病モデルTSODマウスが11週齢で糖尿病病態を呈することを示した。正常マウスと比較して、このマウスの活動量は著しく低下し、活動位相は前進傾向であった。さらにTSODマウスの大動脈における時計遺伝子Per2およびBmal1発現量は減少傾向であった。以上の結果、糖尿病発症後の血管では時計遺伝子発現が低下することが明らかとなった。
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