グリピカン-3(以下GPC3)は各種の癌で発現が認められ、肝細胞癌(以下HCC)で高発現することが知られている。本研究ではHCCにおけるGPC3の意義について臨床病理学的に検討を行った。GPC3が細胞膜に発現するHCC症例は予後不良で、腫瘍の悪性度を高めるとされるM2型マクロファージの腫瘍内浸潤がより多く認められた。HCCの原発巣と転移巣におけるGPC3の発現は、約半数に違いがみられた。新たなELIZA系を用いて測定した術前血清GPC3値が高いHCC症例ほど、予後不良であった。尚、研究の過程で、乳酸の輸送に関与するモノカルボン酸輸送体4がHCCにおける新たな予後不良因子であることを示した。
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