本研究では,インターロイキン6などのサイトカインmRNA の分解を行うことで過剰な免疫応答を抑制するRNase Regnase-1の作用機構の解明を試みた。Regnase-1はサイトカインなどの分泌蛋白質の翻訳が生じている小胞体に多く存在し,蛋白質合成装置であるリボソームと共局在する事が明らかとなった。そして,Regnase-1はリボソームおよびRNAヘリカーゼUPF1と相互作用し,UPF1依存的に蛋白質翻訳が生じているmRNAを分解すること分かった。この蛋白質翻訳と共役したRegnase-1によるmRNA分解機構は免疫応答において早急な蛋白質翻訳の停止を可能にすると考えられる。
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