大脳皮質に複数ある痛み関連の活動を示す領域の固有の機能を理解することは、痛み認知のメカニズムの理解や疼痛の軽減につながる可能性がある。本研究では温度感覚および痛覚受容における大脳皮質痛覚関連領域の役割を明らかにするために、顔面領域への熱刺激の温度変化を弁別する課題を行うニホンザルの前頭葉および一次体性感覚野よりニューロン活動を記録した。前頭葉では、腹側運動前野ニューロンが熱刺激の微小な温度変化の検出の意思決定過程に関与することを示唆する結果が得られた。一次体性感覚野でも受容野に与えられた熱刺激に鋭敏に応答するニューロンが記録された。
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