本研究では黄砂の健康への評価を東アジア地域において実施した。その中で①黄砂の効果修飾的影響に関する評価(日本国内)と、②黄砂の直接的影響評価(韓国と日本)を実施した。 その結果、黄砂は65歳以上の全疾患、循環器系疾患、呼吸器系疾患の罹患に影響をもたらし、地表大気汚染の健康への影響を効果修飾することが示唆された。また、黄砂は死亡への影響が確認され、それらは東アジアの都市によってインパクトが異なり、黄砂発生源に相対的に近い地域でそのリスクの増加が確認された。 これら知見をアジア地域で共有し、黄砂の通過都市における大気汚染物質レベルの問題提起などの今後の取り組みへ、これら知見を活用していきたいと考える。
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