インフルエンザウイルスの性状にNA活性が及ぼす影響を明らかにするためにH1N1pdm09の臨床分離株40株のNA活性を解析した。その結果、株によりNA活性が異なることを確認し、さらに、NA活性が最も低い3株はすべてNAにH275Y変異を持つNA阻害剤耐性ウイルスであることが明らかとなった。高NA活性株、低NA活性薬剤感受性株、薬剤耐性株の各グループについて解析を行ったが、NA活性と比較して、H275Y以外のNAの変異やウイルスの増殖性に特徴はみとめられず、ウイルスの性状に違いは確認できなかった。NA阻害剤耐性ウイルスのNA活性が感受性株と異なる意義についてはさらなる解析が必要だと考えられる。
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