本研究ではプローブ型共焦点内視鏡を本邦で初めて導入し、胃病変の腫瘍・非腫瘍の鑑別に有用か検討した。また、診断の再現性や術者の背景による診断精度の影響を検討するため日独8施設の参加する国際多施設共同研究を実施した。その結果、癌は良性腫瘍性病変や非腫瘍性病変に比して腺管構造が不整であること、分化度が下がるにつれて腺窩の不整、小型化、窩間部の距離が長くなることなどが明らかになった。共焦点内視鏡の腫瘍・非腫瘍の鑑別診断精度は通常内視鏡観察より有意に優れて、共焦点内視鏡や病理診断の経験によらず、日本の医師がドイツの医師より、消化器病医が病理医より優れていることが明らかになった。
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