研究概要 |
本研究では、心不全発症過程の一モデルとなる肥大型心筋症に注目し、心肥大、心筋障害の進展および引き続く心不全発症に関わる分子機構の解明することを目的とする。短期間で効率的なスクリーングが可能なモデル生物であるゼブラフィッシュを用い、ヒトで見いだされた肥大型心筋症の原因遺伝子(MYBPC3, MYL2, TNNT2)変異をTALENを用いて導入することにより肥大型心筋症モデルフィッシュの作成を試みた。 まず、ヒト肥大型心筋症例で見いだされたMYBPC3, MYL2変異を、モルフォリノアンチセンスオリゴを用いて一過性ではあるが再現した。ともに軽度ではあるが心のう水貯留など心臓特異的な表現型を確認することができた。今後、MYBPC3, MYL2に対するTALENを設計し、肥大型心筋症ゼブラフィッシュモデルの作成を行う。TNNT2変異についてはTALENを作成し、mRNAのマイクロインジェクションにより変異の導入を行った。現在はF0フィッシュを作成したが、今後F1フィッシュのgenotype解析や表現型など詳細な評価を行っていく予定である。
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