研究課題/領域番号 |
25860589
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
寳達 明彦 金沢大学, 大学病院, 特任助教 (00623662)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肥大型心筋症 / ゼブラフィッシュ |
研究実績の概要 |
本研究は心不全発症過程の一モデルとなる肥大型心筋症に注目し、心肥大、心筋障害の進展および引き続く心不全発症に関わる分子機構を解明することを目的とする。短期間で効率的なスクリーニングが可能なモデル生物であるゼブラフィッシュを用い、ヒトで見いだされた肥大型心筋症の原因遺伝子変異を導入することにより肥大型心筋症モデルフィッシュの作成を試みた。平成26年度は以下の研究成果を得た。 MYBPC3に対するアンチセンスモルフォリノオリゴと野生型または変異型MYBPC3 mRNAの同時マイクロインジェクションを行った。これによりヒトで見いだされたMYBPC3変異例を一過性に再現し、単独変異に比し複合ヘテロ接合性変異で心臓の病的リモデリングが進むことを示した。その成果は国内や海外での学会で発表し、英文誌へも投稿し、出版された。 MYBPC3, MYL2, TNNT2のトランスジェニックフィッシュ作成に関してはTALENのみならず、CRISPR/Casシステムを併用し、変異モデルフィッシュの作成を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゼブラフィッシュに対してモルフォリノオリゴおよびmRNAのマイクロインジェクションを行い、一過性の発現系を用いた評価を行う実験系および心機能の評価系の確立を先行した。その結果を欧文誌に投稿し受理された。そのため本来の実験計画に遅れを生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の目的通り、ゲノム編集技術を用いた安定した遺伝子変異モデルを作成し、遺伝子変異ゼブラフィッシュを作成し、マイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子変異ゼブラフィッシュモデルの確立が遅れたため、マイクロアレイ購入費用を中心に未使用分が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度には遺伝子変異ゼブラフィッシュモデルを確立し、マイクロアレイによるトランスクリプトーム解析、パスウェイ解析を行っていく。
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