肥満状態は代謝機能不全、多臓器不全を来たし様々な疾患において病態を複雑なものにすることが知られている。今回我々は高脂肪食を負荷した肥満マウスにおいて冠動脈結紮心筋梗塞モデルを作成、病態やメカニズムに関して検討を行った。肥満心筋梗塞マウスは死亡率が上昇し、マイクロアレイ解析によりPAI-1が予後悪化因子として考えられた。PAI-1阻害薬は肥満状態における心筋梗塞後の予後を改善した。また、PAI-1ヘテロ遺伝子欠損マウスにおいては梗塞後の心拡大抑制、心不全の軽減が見られた。PAI-1を抑制することにより肥満状態において重症化する心筋梗塞後リモデリングを制御、治療として介入できる可能性が示唆された。
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