維持血液透析患者380名を対象とした前向き観察研究を行い血漿PTX3濃度と生命予後との関連を検討したところ高PTX3(>6.29 ng/ml)は栄養リスクがある患者群(GNRI<91.2)においてのみ生命予後の独立した予測因子であった。以上より血漿PTX3は栄養リスクのある日本人維持血液透析患者においてバイオマーカーとして利用できる炎症マーカーである可能性が示唆された。さらに、CRPやIL-6を同時に測定することでより正確に予後不良患者を予測できると考えられた。また、同じ炎症マーカーでもCRPはアルブミンとの負相関が強くPTX3は体格指標との関連が強いという栄養指標との関連の違いが判明した。
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