慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は自己免疫性ニューロパチーとされるが、標的抗原は不明であり、確立した診断マーカーもないため診断が遅れ難治化する症例も多いことが大きな臨床的問題点である。当研究ではCIDP患者血清中の自己抗体の標的分子をプロテオーム解析法を用いて網羅的に探索した。CIDPは複数の病態を含む症候群で、臨床的・電気生理学的にサブグループに分けられる。それぞれのサブグループにわけたepitope探索を行い、複数の抗原候補蛋白質を同定した。この成果をもとに病態を明らかにすることで、病態に応じた至適治療が確立され、CIDPの治療法の選択・予後改善に貢献をもたらすことが期待される。
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