本研究は、プリオン病においてN-methyl-D-aspartate(NMDA)型グルタミン酸受容体の機能障害が生じ、その病態に自己抗体が関連するとの仮説を検証することを目的とした。既に報告した抗NMDA 型グルタミン酸受容体自己抗体に関連して、1.ペプチド・アレイによるエピトープの同定、2.中枢神経系において抗体産生に関わる細胞等の検索、3.抗体を含む検体と培養細胞を用いてのグルタミン酸受容体機能・発現の解析を試みた。付随する研究において、プリオン病の中枢神経系における炎症機転としてinterleukin-17等の上昇を確認した。これらにより、プリオン病における神経障害機序の一端を解明し、診断・治療に寄与することを目指した。
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