研究課題
パーキンソン病(PD)の多くは孤発性(SPD)であるが、その 5-10%に家族性パーキンソン病(FPD)が存在する。本研究は既知の原因遺伝子変異を認めない FPD から血族婚のある家系を選出し、オート接合性マッピングと次世代シークエンサーによる全エクソン配列解析を組み合わせ、新規遺伝子座及び新規原因遺伝子同定を目指す。本年度は対象家系4家系8症例について、次世代シークエンサーを用いて全エクソン配列解析を実施し、見出した合計25種類の候補遺伝子変異について検証を行った。1) 健常者100人において候補遺伝子変異と同じ変異は見られず、単なる遺伝子多型であることが排除された。2)FPD症例300例において候補遺伝子解析をおこなった。しかし新たに変異を認める家系は見られなかった。現在、さらに解析症例を増やし候補遺伝子変異の検証を行っている。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画のうち、26年度予定分が達成できた。1) 4家系8症例において見出した合計25種類の候補遺伝子変異を健常者100人において検証を行った結果、単なる遺伝子多型であることが排除された。2) 3000 例のパーキンソン病 DNA バンクから臨床症状および遺伝形式から解析対象を絞り込み、FPD 300症例において候補遺伝子解析を行った。3) 新たな家系の発掘: 本年度に300例のPD症例を新たに収集し関連遺伝子解析を行った。そのうち、既知の原因遺伝子変異を認めないFPDから本研究の解析候補となる2家系を新たに見出した。よって、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
1) FPD症例300例において候補遺伝子解析をおこなったが新たに変異を認める家系は見られなかったので、原因遺伝子変異が希であることが考えられる。よって、さらに解析対象を増やし、候補遺伝子変異の検証と行う。2) 新たに発掘された2家系についてSNP arrayを用いてゲノムワイドジエノタイピングを行い、オート接合性マッピングにより候補遺伝子領域を絞り込む。さらに、次世代シークエンサーを用いてゲノム解析を行い、新規PD原因遺伝子単離を目指す。
さらに解析対象を増やし、候補遺伝子変異の検証を行うため。
研究に必要な遺伝子解析用試薬(PCR用試薬、シークエンス用試薬)、プラスチック消耗品などの購入費用。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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