研究課題
パーキンソン病の多くは孤発性であるが、その 5-10%に家族性パーキンソン病(FPD)が存在する。本研究は既知の原因遺伝子変異を認めない FPD から血族婚のある4家系8人ついて全ゲノム90万のSNPタイピングを行い、オート接合性領域を見いだした。さらに、次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析により候補遺伝子同定を進めた。1)アジレント社のSureSelectを用いて全エクソーム領域のみを濃縮した。2)イルミナ社のHiSeq2000を用いてエクソーム解析を行い、候補領域の約95%の塩基配列情報を取得した。3)SAMtoolsを用いて変異候補を検出した。4)ヒトゲノムデータベースと比較しオート接合性領域に位置する25個の候補遺伝子変異を見いだした。健常者100人において候補遺伝子変異と同じ変異は見られず、単なる遺伝子多型であることが排除された。本年度は解析症例数を大幅に増やしパーキンソン病200例について候補遺伝子解析を実施した。しかし新たに変異を認める家系は見出せず原因遺伝子同定までは至らなかった。今後、解析対象をさらに増やし候補遺伝子変異の検証を行う予定である。また、変異スクリーニングを実施中に既知の原因遺伝子変異を認めない優性遺伝性パーキンソン病の1大家系を見出した。同家系から所属研究グループによって新規パーキンソン病原因遺伝子としてCHCHD2が発見された。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 5件)
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