骨髄異形成症候群(MDS)の一部の症例においてMDS芽球上にIL-2受容体α鎖(IL-2Rα、CD25)の発現を認め、また血漿中可溶性IL-2Rα高値例では予後不良であることが明らかとなった。しかし、CD25陽性MDS芽球は陰性芽球と比較し、細胞周期やアポトーシス、薬剤耐性に差を認めなかった。一方、MDS患者骨髄中に白血病幹様細胞(LSCs)は0.1~6.4%と若干存在しており、一部の症例ではLSCs上にCD25分子が発現し、その発現強度は他の芽球と比較して高かった。これらの結果より、MDS患者において、CD25分子標的薬が腫瘍細胞根絶の治療法となる可能性が示唆された。
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