研究課題
Charcot-Marie-Tooth(CMT)病は,罹患者の最も多い遺伝性ニューロパチーであり,多数の病因遺伝子が存在する.日本人CMT病約350名の遺伝子解析を施行してきたが,60%では病因が特定出来ない.本研究では,主に劣性遺伝を示すCMT病の病因遺伝子を対象として,MLPA法を用いた量的変化を検索する.この研究により本疾患における遺伝子の量的変化の関与が明らかになる.平成26年度の計画であった髄鞘型および軸索型CMT病における病因不明症例について臨床型,合併症,家族歴等のデータをもとにグループ別し、遺伝子解析を行った.中間型および軸索型CMT病における病因不明家系において、多型連鎖解析でCMT病における新規病因遺伝子COX6A1を発見した。その遺伝子について家系内での遺伝子変異の有無を確認したところ、劣性遺伝形式をとることを報告した(Am J Hum Genet. 2014;95:294-300.).さらに、COX6A1について髄鞘型CMT病の病因不明家系において遺伝子変異検索をおこなった(未発表).髄鞘型CMT病において病因が不明な104症例,軸索型CMT病においては,病因が不明な100症例について遺伝子の量的変化(重複・欠失)の検索にあたり、劣性遺伝形式をとる髄鞘型CMT病では,患者リンパ球より抽出したDNAを用いて,MLPA法による量的変化を検索するシステムを確立し,病因が不明な症例について検索する.なお,優性遺伝形式もとるEGR2遺伝子については、すでに検索が終了している(業績1).
3: やや遅れている
髄鞘型および軸索型CMT病における病因不明症例について、臨床型、合併症、家族歴等をもとにグループ別に遺伝子検索を行った。新たな病因遺伝子COX6A1を発見し、報告した(Am J Hum Genet. 2014;95:294-300.)。さらに、COX6A1について検体数を増やしての遺伝子変異検索をおこなった(未発表)。そのため、MLPA法での解析方法の確立が当初の予定よりも遅れている。しかしながら、新たな病因遺伝子発見できたことは有用であると考える.
劣性遺伝形式をとる髄鞘型CMT病でのMLPA法による量的変化を検索するシステムを確立し,主要病因遺伝子であるMTMR2, SH3TC2/KIAA1985,SBF2,PRXついて、病因不明な症例について検索を行っていく。その後、軸索型劣性遺伝形式をとる主要病因遺伝子について量的変化を検索するシステム確立をおこなっていく。
髄鞘型および軸索型CMT病における病因不明症例について、臨床型、合併症、家族歴等をもとにグループ別に遺伝子検索を行った。新たな病因遺伝子COX6A1を発見し、報告した(Am J Hum Genet. 2014;95:294-300.)。さらに、COX6A1について検体数を増やしての遺伝子変異検索をおこなった(未発表)。そのため、MLPA法での解析方法の確立が当初の予定よりも遅れている。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
The American Journal of Human Genetics
巻: 95 ページ: 294-300
10.1016/j.ajhg.2014.07.013.
末梢神経
巻: 25 ページ: 52-58