紫斑病性腎炎(HSPN)の多くは予後良好であるが、2-3%に末期腎不全に到る。重症例に対しては、ステロイドパルス療法、カクテル療法、血漿交換がおこなわれているが、これらの治療にも効果がない難治例が存在する。このような難治例にシクロスポリンA (CsA)の有効性が報告されているが、その機序は不明である。「HSPNに対するCsAの作用機序は、ポドサイトへの直接作用である」ことを証明するために検討を行った。ポドサイト関連分子であるシナプトポディンは、CsA投与後と有意に増加した(p=0.0163)。今回の結果からHSPNに対するCsAの作用機序としてポドサイトの修復に関与していることが示唆された。
|