生体内・外から脳に入力される膨大な感覚情報を統制する脳内情報処理機能は、感覚ゲート機構(Sensory gating)と呼ばれている。Sensory gatingを反映・定量化する手段に聴覚誘発電位P50抑制現象(P50抑制)がある。 本研究はSensory gating機能不全をP50抑制により評価することで、精神疾患の特に不安病態とSensory gatingとの関連について検討した。不安病態を呈する代表的疾患であるパニック症について、不安症状の重症度とP50抑制障害が相関傾向にあることを見出した。本研究結果は、Sensory gating機能不全が不安病態形成に関連する可能性を示唆した。
|