「腫瘍におけるmTOR signalingの変化を解析し、さらに放射線増強作用、抗癌剤感受性増強作用の有無についても検討を行う。」に関しては、mTOR阻害剤投与により抗腫瘍効果がすでに確認できており、実験系の確立を行ったcisplatinの感受性増強作用も確認できたが、放射線増感作用に関してはまだ研究進行に難渋した。2010年、2013年に基本となる論文がpublishされているため、全体的な研究計画の根幹は確立出来ていたと考える。「食道扁平上皮癌250例以上」の免疫染色のうち、170例ほどでm-TORと予後との関連はすでにp-mTOR陽性例は有意に予後不良であることが確認できた。Hedgehog経路においては、転写因子であるGli1の免疫染色を施行し、予後との評価を行い、p-mTOR陽性例との相関、長期予後を検討し、データベースをアップデートしつつ症例数増加を検討した。結果はGli1の免疫染色を施行し、予後との評価を行ったが、有意な差を認めなかった。
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