頭部外傷においてグリオトランスミッター制御が治療効果をもつかをラットの脳挫傷モデルを用い検討した。挫傷中心部に人工髄液もしくはP2Y1の選択的拮抗薬MRS2179を投与した。活性型マイクログリアのマーカーとしてGalectin-3を定量した。Galectin-3陽性細胞は外傷脳にのみ認められた。外傷1日後からGalectin-3の強い発現が認められたが発現量は経時的に低下した。Galectin-3は挫傷脳周囲で最も強い発現が認められ、MRS2179投与により有意に低下した。外傷遠位部の大脳皮質や海馬でも3日目以降に有意な発現量低下を認めた。MRS2179投与群では一部の行動試験で改善を認めた。
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