帝王切開術中に頻用されるメチルエルゴメトリンマレイン酸塩を投与する際には冠動脈攣縮の発症に注意する必要がある。しかしながら、個々の妊産婦についてメチルエルゴメトリンマレイン酸塩による副作用発現の有無を薬剤投与前に予測することは不可能である。メチルエルゴメトリンマレイン酸塩の効果発現に関わると予想される遺伝子の遺伝子一塩基多型に着目し、当薬剤による副作用発現の個体差を解明しようと試みた。選択帝王切開を予定する患者の遺伝子一塩基多型を調べ、心電図ST変化との関係について解析を行なった。しかし遺伝子一塩基多型と心電図ST変化との関係について明らかにならなかった。
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