LCN2免疫染色では、LCN2は子宮内膜症や子宮内膜症との関連が知られている明細胞癌や類内膜癌において高発現していたが、封入嚢胞や漿液性癌ではほとんど発現を認めなかった。またLCN2高発現卵巣癌症例は優位に生存期間が短縮していることを見出した。そこで卵巣明細胞癌細胞株を用いてLCN2の機能解析を行った。LCN2は細胞内の鉄濃度を上昇させたが、活性酸素種ROSや酸化ストレスを上昇させずむしろ軽減し、LCN2は酸化ストレス耐性を増強し、アポトーシスを軽減させていた。その機序としてはCD44バリアントやxCT発現上昇を介してグルタチオン濃度を上昇させるためと考えられた。
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