口腔中咽頭癌におけるケモカインレセプター3(CCR3)の発現を検討した。30症例の病理組織をCCR3抗体にて免疫染色を行った。CCR3発現陽性となったのは14症例(46.7%)であり、CCR3陽性となった症例では、リンパ節転移の有無、癌のステージ分類、5年生存率においてCCR3陰性例と比べて有意な差を見ることができた。 細胞実験からも、CCR3のリガンドであるCCL11を作用させると、咽頭癌細胞はその移動能が有意に上昇した。また、siRNAにてCCR3をノックダウンさせた細胞では浸潤能が低下していることを確認した。これらのことから、CCR3は口腔中咽頭癌の予後推定因子と成り得ると思われた。
|