網膜はつねに光にさらされており、光障害は酸化ストレスを介して視細胞障害に対して促進的に働く。網膜色素変性は本来視細胞に特異的に発現する遺伝子の変異を起源とする視細胞変性が疾患の本態であるが、その視細胞変性過程において酸化ストレスの関与が近年知られるようになってきた。酸化ストレスを視標とした治療法の評価は新規の視点として有効である可能性が高い。本研究では網膜色素変性に対する酸化ストレスを視標とした治療法評価の確立を目指した基礎的な研究を行い、眼内の酸化ストレスおよび抗酸化力について各種網膜硝子体疾患にて比較検討を行い、これが将来網膜色素変性診療に応用できるか否かの可能性を探ることを目的とした。
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