多指(趾)症患者から得た爪組織を用いたヒト爪・皮膚ケラチノサイトの分離、初代培養、継代培養を行った。各種刺激因子の作用効果および爪ケラチノサイトが産生する硬ケラチンへの影響を調べた。爪と皮膚のケラチノサイトはほぼ同様の細胞特性を示したが、爪ケラチノサイトの方が分化・角化が早く、早期に分裂能が消失した。bFGFおよびEGFは低用量(0.1~5ng/ml)で細胞増殖効果が強く、高濃度で増殖の抑制と分化を誘導した。逆にVitamin Dは濃度依存性に細胞増殖を抑制した。爪ケラチノサイトの単層培養での硬ケラチン産生量はVitamin D添加群が多く、bFGFとEGFは濃度依存性に産生量を増加させた。
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