救急医療システムは、当事者または目撃者からの消防への通報から起動する。通報者の多くは医学知識に疎い一般市民で、指令員が音声で必要充分な情報を得ることはしばしば難しい。今回スマートフォン動画伝送システムを使用し、一般市民による模擬通報を行い救急医療活動の時間短縮効果、口頭指導の質の評価を行い有用性を評価した。模擬患者14人にそれぞれ3症例について従来の音声通話(G群)と動画伝送システム(S群)による救急通報を行った。全例で口頭指導活動の質(胸骨圧迫の部位と強さ・回復体位など)がS群で有意に良好であった。スマートフォン動画伝送システムを用いた救急通報は消防口頭指導に対する活動の質が向上する。
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