糖尿病は歯周病の病態との関連性も深く、歯周病治療における注意すべき疾患の一つである。そこで両者に関与している炎症性サイトカインの一つである腫瘍壊死因子(TNF-α)の制御が糖尿病および歯周病の病態改善に効果を示すと仮説をたて、新規ペプチド医薬品候補の探索を計画した。ペプチド医薬品の候補としてTNF-α阻害作用を持つWP9QYペプチド(W9)を用い、糖尿病および炎症性骨吸収モデルマウスに及ぼす効果を検討した。W9の糖尿病の明らかな病態改善効果は認められなかったが、糖尿病患者が歯周病などによる炎症性骨吸収を合併した場合における増悪阻止を標的としたペプチド医薬品としての可能性はあると思われる。
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