本研究課題では、内部に根管もしくは歯髄腔を有する象牙質を光干渉断層装置(OCT)で観察した。上顎大臼歯髄床底の観察では、近心頬側第2根管の検出率を調査した。肉眼や歯科用実体顕微鏡(DOM)による検出率と比較したところ、OCTにより、検出率が高まる可能性が判明した。下顎大臼歯の歯冠部象牙質の観察では、象牙質の厚み2.33mm以下で歯髄腔の位置を検出することができた。歯根根尖部では、側枝やイスムス形態を観察できた。 以上より根管治療時、OCTの使用は、より正確かつ確実な診断および処置をもたらすと推察される。
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