GLP-1はインスリン分泌を促進するホルモンであり、血糖値の調整に関与している。一方、咀嚼は自律神経系に影響を及ぼし、咀嚼によって迷走神経が活性化することが知られている。そこで咀嚼が迷走神経を介し、GLP-1の分泌を上昇させるという仮説を立て研究を行った。 ラットに咀嚼行為をさせると、有意にGLP-1の分泌を高めたが、副交感神経を遮断するとその変化は消失した。また、長期間咀嚼を行ったラットはインスリンを分泌するβ細胞数が多い傾向にあった。よって咀嚼を行うことは迷走神経を介しGLP-1分泌を促進し、そのGLP-1によってβ細胞に保護作用が働いていることが示唆された。
|