近年、アルコール非摂取者において過剰栄養摂取で生じる非アルコール性脂肪肝炎が注目されている。本研究では、非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスにおいて、高脂肪食によって軽度の肥満を誘発した状態である種の歯周病原性細菌や齲蝕病原細菌を頸静脈より投与した。すると、肝臓において酸化ストレスや炎症誘発に関連するサイトカインの発現上昇が生じ、通常48週程度で認められる脂肪肝炎の症状が、8 週程度という短期間で生じた。これらのことから、ある種の口腔細菌の血液中への侵入が、非アルコール性脂肪肝炎の病状を悪化させる可能性が示唆された。
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