肥満によるインスリン抵抗性モデル動物のZucker Fatty(ZF)ラットと対照動物の下顎臼歯部の辺縁歯肉を解析したところ、ZF群でプロテインキナーゼCの活性と、炎症性マーカー、酸化ストレスマーカーの発現が有意に高かった。さらにインスリンシグナリング阻害の評価として歯肉へのインスリン刺激を行ったところAkt、eNOSのリン酸化が対照群に比べて有意に低かったが、PKC阻害薬、抗酸化剤によりAkt、eNOSのリン酸化が一部回復をした。本研究により、肥満状態での歯肉におけるインスリンシグナルの阻害は血管内皮も含めて生じており、その阻害にはPKC活性化、酸化ストレスの関与が示唆された。
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