嚥下関連筋のサルコぺニアは嚥下障害を引き起こす。嚥下障害により栄養状態が悪化すると、サルコぺニアもさらに進行するという悪循環が起こる。そのため、嚥下障害に関連するサルコぺニアの早期診断が求められる。そこで今回は、嚥下関連筋の指標として、舌骨の嚥下時の運動速度を測定し、加齢の影響を調査した。 対象は健常成人女性10名と健常高齢女性10名とした。一口量を5mlと20mlの2種類に規定し、一口で嚥下させ、嚥下造影検査で撮影した。高齢者と成人で舌骨の運動速度を比較したところ、5ml・20mlともに高齢者において有意に小さい値を示した。低下する舌骨の運動速度がサルコぺニアの兆候となる可能性が示された。
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