研究課題/領域番号 |
25862129
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 静脈 / 採血 / 角度 |
研究概要 |
静脈穿刺は、看護師にとって日常的に広く臨床現場で行う医療行為である。そのためできるだけ患者に苦痛を与えることなく、安全かつ確実に穿刺できる技術と穿刺困難な場合への判断能力や対処方法を身につけることが求められている。採血に適した血管として、肘部屈側の肘正中皮静脈が選択されることが多い。採血を行う際の穿刺角度として、標準採血法ガイドラインでは、皮膚に対して30°以下程度、深部の血管以外は通常20°以下の角度で十分穿刺可能であると記載されている(日本臨床検査標準協議会(JCCLS),2011)。また、看護のテキストには、穿刺角度は10~30°の範囲と書かれているものが多いが、血管の深さとの関係は述べられていない。よって、本研究では、超音波診断装置を使用して、静脈血の採血における血管の深さと針の穿刺角度の関係を明らかにすることが目的として研究を行っている。 本年度は、20歳以上の健康な成人60名を対象とし、超音波を用いて、両側上肢の撮影を行った。撮影に関しては、駆血前後に上腕骨内側上顆と上腕骨外側上顆とを結ぶ線である、肘窩線上にある肘正中皮静脈の短軸撮影および長軸撮影を行った。駆血部位は、目盛駆血帯を使用し、肘窩より10cm中枢側で駆血した。現在、結果整理しており、今後皮膚表面から血管の深さと針の先(ベベル)の部分が全て入る角度を算出していく。さらに、分析結果に基づき血管の深さによる数種類のパターン模型を使用し、実際の穿刺を想定して検証を行うこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度前半に購入する予定であった超音波診断装置が、2013年度後半に購入したため、データ収集の時期が遅くなったことが要因として考えられる。また、データ収集後結果の分析に取りかかる時期が遅くなったことも要因として考えられる。現在、データ収集は終了したため、現在、分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、昨年に引き続き、データの分析を行う。結果により、明らかとなった血管の深さによる数種類のパターン模型を作成し、実際の穿刺を想定して検証を行う。さらに、昨年度から取り組んできた研究成果の公開について学会で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
超音波診断装置購入のために、研究費を400,000円前倒し申請した。超音波診断装置が予定額より安く購入できたため、145,787円次年度に繰り越された。 研修会や学会発表のための参加費および旅費に使用する。また、データ収集および実験に必要な機材を購入するための費用に使用する予定である。
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