本研究の目的は、高齢者の趣味活動の場で利用者同士の交流実態と交流へのニーズから、組織的見守りネットワーク形成の可能性を検討することであった。趣味活動の場は、老いを自覚しながらも生活の張り合いをうみ、その結果生活リズムや健康行動に貢献していた。また人間関係は場の共有であり、一人暮らしであることのうしろめたさや他者に干渉することへの負担感という老いの体験が関係の展開や発展を阻害していた。活動と負担のバランスは、自己完結への傾向とつながりへの傾向と両方を併せ持っていたことから、これらのつながりへの傾向を見出し、力づける支援方法の開発が課題である。
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